「ほら、おいで」



今はその気持ちに、素直になってみてもいいのだろうか。


前には親子が並んでいて、まだ順番までもう少しある。

ミカとショウと楽しそうに話す立夏。

たとえ信用を失くしたとしても、立夏の無事を立夏の両親に伝えなければ。

ずっとタイミングが見つからず連絡できなかった電話番号をおしてかけると、ワンコールで電話はつながった。


覚悟を決めて、ぐっと拳に力を入れる。

震える手をごまかすように。



「…っ!織くん?!織くん無事なの?!」

「っ…あ、あの…、あの、俺」



うまく、言葉がでてこない。

言わないと。

約束を守れなくてすみません。ごめんなさい。

一年前のクリスマスイブも、あの日も、あの日もたくさんごめんなさい。



「っ…す…、…すみません…っ…ごめっ…なさいっ…」

「もう少しだけ…っ…時間をくれませんか…、今日で最後にするので、あと少し…、思い出をください」