「ほら、おいで」



°・❆



「ねぇ織、1時間だけのお散歩でもだめ?」



朝ご飯を食べてる最中に、もう一度さそってみるけれど、織からの反応はない。

さっきは勢いでさそってしまったけれど、お出かけをしたいのは本当だ。

だってクリスマスだよ。

外の世界はキラキラしたイルミネーションがたくさんあって、それに街ゆく人もきっと笑顔で楽しそうなんだろうな。


…きっと織が隣にいれば…すっごく楽しいのに


織とは家族ぐるみで何度か一緒に見たことがあるけれど、それとはまた違う。



―『立夏!ねぇ立夏は誰とクリスマスをすごすんだよぉ〜〜、織くん?ねっ、やっぱり織くんなの?!』



中学3年生のクリスマス間近。

周りにはカップルが増えてきて、それからこうして友達からクリスマスの予定を聞かれるのは毎年の定番だった。

特に今年はみんなの熱量がぜんぜん違う。


だって中学最後だもん。


…高校になって、離れる子達はたくさんいる

高校が同じ人は、奇跡が起きたって抱き合って感動しあう。


そんな姿を見て、いいなって、こっそり肩をおとす。

私の大切な人たちは、みんな違う高校に行く。



そして織もその一人だった。