「ほら、おいで」



人通りの少ない道路の隅っこで、きっと今じゃないんだと分かっていたはずなのに、


気がついたら口にしていた。



『……好き』



『え……?』



立夏の瞳は揺らいでいた。


自分に自信がなくて、いつも自分の前を歩く立夏を、いつも後ろから見守っていた。


驚かせてしまうかもしれない。

もう幼なじみとしてすら、そばにいられないかもしれない。


明日から話せなくなるかもしれない。

泣かせてしまうかもしれない。



『……恋人になりたい』



『俺のそばにいてください』



リスクがたくさんあるはずなのに、それでも伝えたかった。

情けない。プレゼントも用意していないし、女子が喜ぶような告白でもない。


告白の場所は、どこにでもある道路の隅っこ。


どうしてこんなに情けないんだろう。

この人に似合う人に、俺はなれるだろうか。


立夏は最初こそ目を丸くしていたけれど、その後ニッと無邪気に笑った。



『……はいっ』