「ほら、おいで」



それをいいことに、織の寝顔をじっと見つめてしまう。


私より長いまつげに、柔らかそうな黒髪、いつも眉間にシワ寄せてるのに、眠っているときはこんなにあどけないんだ。

…ふふん、おり様は現在、すごく無防備に眠っておられます

顔に落書きでもしてやろうか。


そんなイタズラ心が芽生えたけれど、必死に抑えた。

私が眠っているとき、織は白いブランケットをかけてくれた。

ちゃんと丁寧に、首のところまで。
 

さっきまで私が使っていたそのブランケットを、今度は私が織にかけた。

ちゃんと丁寧に首のところまで、そう思っていたのに、予想外にそれを阻止されてしまう。



「…ひっかかったな」



手首から伝わってくる温度は、いつもより少し高い。



「ひゃっ?!」



少し引き寄せられただけでバランスを崩してしまった。

そのまま倒れるようにソファにダイブした私は、なにがなんだか分からない。


なにがなんだか分からなさ過ぎて、笑いが込み上げてきた。



「ふふっ…っ…」



織ってこんなふうにじゃれあったりするんだ。

ひとつ、またひとつ、織のことを知っていく。

それがすごく、心地いい。