「ほら、おいで」




「……明日やるから置いといて」



いつもよりくだけたような声だった。

そう言った織は、私に背中を向けたまま。



「えっ」



水道の蛇口に伸ばしかけていた手を、思わず止めてしまった。


…織ってそういうの大丈夫なタイプなんだ?


しっかりしてるから、洗い物はすぐ片付けないと気がすまないタイプだと思っていた。

ここからは織の表情は見えない。見えるのは、柔らかそうな黒髪だけ。



「…立夏、おいで…」



それはそれは、聞いたことのないくらい甘えた声だった。

みるみるうちに頬が熱くなって、それから全身が熱くなっていく。


そうだ、思い出した。


昔から織は、眠たくて仕方がないとき、



…すごく甘えん坊になるんだった〜〜っっ