「ほら、おいで」




「おりー、お水もらってもいい?」


ペットボトルに手を伸ばしながらそう問いかけたとき、驚きのあまり思わず手を引っ込めた。


「おり?」


織の目が半分しか開いてない!!

それに名前を呼びかけても返事がない。


「おり、…眠いの?」


そう問いかけたあと、織は力が抜けたようにカクッと顔を俯かせてしまった。

あぁ、寝落ちちゃった。



「…くふふっ…」



私が小さく笑うと、織はハッとしたように顔をあげる。

けれど、またすぐに俯いてしまう。

眠気と戦っている織は、いつもよりあどけなくて、無防備。


そういえば織、昔もご飯を食べるときにウトウトしていたような気がする。



……かわいい



きっと織、疲れちゃったんだ。

インターフォンをおしたとき、織は家にいなかった。

もしかしたら、仕事に行っていたのかも。


それなのに私は、勝手に家に来て泊めてもらって、それにご飯まで作ってもらって、迷惑をかけてばかり。



「おり、洗い物は任せて!わたし得意なんだよ」

「織ありがとう、ごめんね付き合わせて」


「おやすみ、織」



聞いているのか聞いていないのか、織はふらふらしながら、倒れるようにしてソファに身を預けた。

その様子にホッとして、私はキッチンに立つ。