手のひらには小さな木の枝が2本ある。
「……そこに落ちてたから拾ってきた」
この気持ちはなんだろう。
主人のために犬がなにかを拾ってくるこの感じ……
「…織…ちょっとしゃがんでもらっていい?」
織は不思議そうな顔をしながらも、言うとおりに膝をまげた。
そして、少し雪のついた髪へ手をのばし、そっと触れる。
「……よーし、よし、わしゃわしゃわしゃ」
…なんだろう…この…撫でたい欲
しばらく撫でて満足した私は、木の枝を受け取って、雪だるまの左右につけた。
「……うん、これでよしっ」
ふたりで寄り添うようにして並ぶ雪だるまを見て、思わず笑みがこぼれる。
……これでもう、ひとりぼっちじゃないね
心の中でそう呟いて、立ちあがった。
「織いこっ?」
まだしゃがんだままの織に、そう声をかける。
織は俯いたまま、なにも反応はない。
どうしたんだろう?
「ねぇ、おり?」
膝をまげて、織の顔を覗いた。
………へ…
私が覗くと、はっとしたように慌てて顔をあげた織は、目を丸くして、口をパクパクさせている。
「………っ……」
とても、顔を赤くさせながら。



