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「も…、もうそろそろ帰る?」
少し頬の熱が冷めてきた頃、ちらっと織を横目で見ながらそう言った。
「……うん」
織が静かに頷いたので、私達はツリーに背を向けて、また歩き始めることにした。
来た道を戻っていると、端に一人でぽつりと立つ雪だるまに再会する。
織は特に気にしていない様子だったので、そのまま通り過ぎようとしたけれど、なぜか私は足を止めてしまった。
頭にのっていた葉っぱがなくなっている。
…風に飛ばされたんかな
「……気になる?」
足を止めた私を心配するように、織は優しく問いかけてきたくれた。
「……うーん…」
一瞬だけ迷って、それからすぐに、「ちょっと待ってて!」と、そう言って駆け寄った。
雪だるまのそばにある積もった雪をかきあつめて、丸くかたちを整える。
もうひとつは、ひとつめよりすこし小さく。
それを積み重ねて、私は「ふぅ…」と息を吐いた。
……うん、いい感じ
後は…雪だるまの手を……
「……ん、」
すぐそばで雪の踏む音が聞こえたかと思えば、織の左手がのびてきた。



