「ほら、おいで」



°
°




「も…、もうそろそろ帰る?」



少し頬の熱が冷めてきた頃、ちらっと織を横目で見ながらそう言った。



「……うん」



織が静かに頷いたので、私達はツリーに背を向けて、また歩き始めることにした。


来た道を戻っていると、端に一人でぽつりと立つ雪だるまに再会する。

織は特に気にしていない様子だったので、そのまま通り過ぎようとしたけれど、なぜか私は足を止めてしまった。


頭にのっていた葉っぱがなくなっている。


…風に飛ばされたんかな



「……気になる?」



足を止めた私を心配するように、織は優しく問いかけてきたくれた。



「……うーん…」



一瞬だけ迷って、それからすぐに、「ちょっと待ってて!」と、そう言って駆け寄った。


雪だるまのそばにある積もった雪をかきあつめて、丸くかたちを整える。

もうひとつは、ひとつめよりすこし小さく。


それを積み重ねて、私は「ふぅ…」と息を吐いた。


……うん、いい感じ

後は…雪だるまの手を……



「……ん、」



すぐそばで雪の踏む音が聞こえたかと思えば、織の左手がのびてきた。