「ほら、おいで」



懐かしくて、思わずふっと頬が緩む。

今より少し身長が小さくて可愛い。


男の子は急に背が伸びるから、びっくりするんだよね。


目の前にいる織を見て、私は自然と微笑んでいた。



「おり!メリークリスマスっ」



にひっと笑って見せれば、織は照れたように目を泳がせた。 


そんなふうにされると、私もこの状況が恥ずかしくなってくる。



「もう…いいでしょ、恥ずかしいよ」


「…うん」



やっと頬から離れた織の手。

離れたはずなのに、まだ触れられているようにくすぐったい。


織の頭の上に、大きな一粒の雪がおちてきた。

私はそれにそっと触れてみる。


けれど手で触れた瞬間、雪はあっけなく液体へと変わってしまった。



「雪ってすぐ消えちゃう」

「でも、綿あめみたいでおいしそう」


「……腹こわすよ」


「そんなのわかってますー!」



それから私達は寝ることも忘れて、ベランダの手すりに積もった雪で遊び始めた。



「わっ、雪だるまだっかわいい!」


「小さいのが、立夏」


「えっ、わたし小さすぎない?」


「……っ…」


「なんで笑うの」



楽しい。

寒いのは好きじゃない。むしろ嫌い。


でも雪は嫌いじゃない。

どうしてかな?


雪はすごく冷たいのに、私はどうしてこんなに心があたたかくなるんだろう。