「ほら、おいで」



思い出して、ふっと笑みがこぼれた。


織は、さっきからずっとメガネケースを嬉しそうに見つめている。


…そ…、そんな優しい目をされたら…見てるこっちが照れるよ



「っ…、あっ…!織にプレゼントちゃんとあげたの、今日が初めてかも…っ」



照れ隠しに、思いついたことを言ってみた。


今まで、織の誕生日にちゃんとラッピングされたプレゼントを渡すのが照れくさくて、というか周りがすごくからかってくるから…!

偶然を装って、「あっ、おり!今日誕生日だよね?!…わたしのお菓子わけてあげる…!」

なんて言って、お菓子あげて満足してたなぁ…



「……大切にする」



落ち着く低音が耳に入ってきて、そっと顔を上げる。

目が合うと瞳が優しく細められて、ドキッと心臓が大きく鳴った気がした。



「…傷がついて、つかえないくらいぼろぼろになっても……大切にする」

「……っ…ふふっ…そこまでしなくていいよ」

「立夏からもらったものは…ぜんぶ大切」

「も、もうっ…わかったからぁ〜」



…どうしちゃったの…?!

今日の織は、わたしをドキドキさせることばかり言う。


ぽかっと織の肩を軽くたたくと、織はくすっと笑って、やっとメガネケースをポケットに入れた。