「ほら、おいで」



照れるくせに、自分から言ってくれたことが嬉しくて、少し面白くて、思わず頬が緩む。



「へぇ…そうですか…っ」



それに……泣くほど嬉しかったんだ



「レアだなぁ…織の嬉し涙」

「……レアキャラ」

「うーん……超レアキャラ…っ」



ふたりで見つめ合って、それから、ほとんど同時に視線を逸らして笑った。


よかった…織が喜んでくれて



「これね、メガネケースなんだよ。このデザインはね、たくさんある中から選んだの」



もう一度、「どうぞ」ってプレゼントを差し出すと、わたしの手首を掴んでいた織の手がほどけて、やっとメガネケースに触れた。



「……雪だるま」

「そう!雪だるま!」



白いメガネケースに刺繍された、寄り添うようにして立つ、2つの雪だるまを、織は優しく指でなぞる。

景品を選んでいてたとき、そのデザインを見て一目惚れをした。


なんだか、優しさに包まれたような気持ちになったんだ。


それに、これを見ていると、一緒にベランダの手すりに積もった雪で、遊んだことを思い出す。



『わっ、雪だるまだっかわいい!』

『小さいのが、立夏』

『えっ、わたし小さすぎない?』

『……っ…』

『なんで笑うの』