「ほら、おいで」




「ほんとうは、ずっと会いたかった」



甘えた声で囁かれて、触れられた部分がより熱を持った気がした。


冬なのに、沸騰してしまいそう。


耐えられなくなって目を逸らせば、照れ隠しで早口になってしまう。



「ぇっ?!も、もしかしてお酒のんじゃった?!酔っ払ってる?!キャラ崩壊しちゃってるよ」



私の知ってる織はそんなこと言わない。

そんな………ドキドキするようなセリフ、言わないよ


ほんとうは、嬉しい。私がずっと会いたかったように、織も同じ気持ちだったんだって思うと、すごく嬉しかった。

嬉しくて、泣いてしまいそうだった。


照れ隠しのように並べた言葉に、織は答えることなく、ただ私の頬を親指で優しく撫でる。


初めて触れられたのに、それがなぜか懐かしいと思った。



「…メリークリスマス、立夏」



織のその言葉と共に、ふと何かの記憶が頭によぎった。


私と織が、こうして今みたいに見つめ合って、全く同じ言葉を言い合う姿。


チカチカ、その後ろには、なにか光るものがうつっている。


なんだろう。

もっと見ていたかったのに、それは一瞬で消えてなくなってしまった。


空から降ってきた雪が、地面に落ちていくまでのその瞬間のように、あっけない。


もしかして私の妄想だったのかな。


今起きていることと同じ妄想をするなんて、なんだか変だけど、妄想の織は今より少し幼かった。 

そう、まるで中学3年生の頃みたいに。