「ほら、おいで」




へ…?雪だるま…?


織の視線をたどってみると、そこには小さな雪だるまが1つ、ぽつりと隅に立っていた。

細くて小さな木の枝が、左右に2本ついていて、枯れ葉が頭の上にのせられている。


織は一歩、また一歩と、雪だるまがある方へ歩いてゆき、目線を合わせるようにしゃがんだ。

なんとなく私はその後をついてゆき、織の隣にしゃがむ。


少し大きな風が吹けば、上にのっている葉っぱが飛ばされてしまいそうだ。



「……誰が作ったんだろう」



じっと雪だるまを観察していると、織が小さな声でポツリと呟いた。

言われてみれば、こんな道の途中で立ち止まって、たったひとつの雪だるまを作ってみせた人が誰なのか、私も気になってくる。



「…うーん…誰だろうね…あ、ここで誰かと待ち合わせしてた人がさ、待ってるあいだ暇だから作ったとか…っ?」



「うーん…あとはねー…」と、ピンとくる他のシチュエーションを考えていると、「ふっ」とした柔らかい笑い声が耳をくすぐった。