「…すげぇきれい」



__ドキッ


心臓が大きく高鳴って、全身が熱くなっていく


イルミネーションのことだって分かってるのに、織があまりにも私だけを真っ直ぐ見つめて言うから、勘違いしてしまいそうになる。


いつもなら言い返せるのに、息が苦しいくらいにドキドキして、やっぱりなにも言えない。


言いたいことがあるのに。

いま伝えたいことがあるのに。



「…イルミネーション、みてから帰る?」



織の予想外の言葉に驚いて、一歩、また一歩と後ずさりしてしまう。



「…え……あ、…でも、もう真っ暗」

「ははっ…はしゃいでんの俺だけ」



寂しさを含んだ笑いだった。

な、なにそれ……なにそれ…っ! 



「ちっちがう…!わたしの方が織と一緒にイルミネーションみたいって思ってたもん…!」