「ほら、おいで」



「……それ、ショウがとったのか」



珍しい。

織が自分から話しかけるなんて。

そう思いながら聞く耳を立てていると、突然ふたつの足音がピタリと止まった。


不思議に思って立ち止まり、後ろを振り返ると、ショウは景品を背中に隠して、悔しそうに俯いていた。


…どうしたんだろう?


みんなが立ち止まったことに気づかず、前を歩こうとするミカの手を慌てて握った。



「………どうして隠すんだよ」

「……2位…、だから。…ママとパパにプレゼントするのやめる」


「…しょう、」


俯くショウと視線を合わせるように、織はゆっくりと膝をまげた。



「試合は勝ち負けが大事だ…でも、気持ちに順位なんてないだろ」

「しょうが2位でも…いや、最下位でも、もらった人は嬉しい…俺はそう思う」


「プレゼントは……その人を想う気持ちだ」



織が、ゆっくりと手をのばした。

途中で何度かためらいながら、織の優しくて温かい手は、ショウの頭の上にのっかった。

そのまま、
ぎこちない手つきで頭を撫でている。


慣れていないんだろう。

だって織の手は、ときどき困ったように動きを止める。


けれど、すごく…愛しくてたまらないと言いたそうな、そんな瞳をしている。