「ほら、おいで」



ミカが、もうメガネケースを見ていないことを確認してから、そっとポケットに入れた。



「ふぅん……」



納得できていないような、

なんだか曖昧な返事だ。


不思議そうに、私の瞳をじっと見つめるから、かわいくて笑ってしまった。



それにしても、後ろに並んで歩いている織とショウは、とても静かだ。

静かすぎて、後ろにちゃんといるかどうかも不安になってくる。


そっと振り返ってみると、ふたりはなぜかおんなじような、ぼーっとした気の抜けた表情をしていて、思わずクスッと笑ってしまった。



「…っ…ふたり、そっくりだよ」

「やめてください、似てないです」



すぐにそう否定をしたのは、ショウだった。

眉間にシワを寄せて、嫌そうな顔をしている。


その表情さえも織と似ていて、また笑ってしまった。



「………だって」



怒るわけでもなく、否定するわけでもなく、織はそうなんだってさ、と他人事のように澄ました顔をしている。



「くっ…はははっ」



やっぱり似てる。


もっと話せばいいのに。

せっかく織とわかりあえるような人に出会えたから。

たくさん話したらいい。



もうすぐ……お別れなんだから



寂しいね。


いつだってお別れは……寂しいね