「ほら、おいで」



「おねーちゃんは?なにもらったの?」



わたしはね、と大きな声で言ったあとで、織にサプライズをしようとしていたことを思い出して、きゅっと口を結んだ。


あ、あぶない、あぶない


織に聞かれたらサプライズじゃなくなっちゃうもん



「……あのお兄ちゃんに、秘密だよ」



今度は小さな声でそう言って、口に人差し指をそえた。



「ヒミツ?」

「うん。プレゼントして、おにいちゃんをびっくりさせたいんだ」



そう言って、パーカーのお腹にあるポケットから景品を取り出して、ミカの前に差し出した。

ミカはそれを手に取ろうとせず、ただじっとそれを見つめている。



「…これなぁに」

「メガネケースだよ」

「……めがねけーす」



もしかして、メガネしらないのかな?



「メガネをね、」



人差し指と親指をひっつけて、メガネのレンズのかたちをつくった。


ミカは大きな瞳をぱちくりと開けて、不思議そうに私を見ている。



「私はメガネかけてないから、あんまり知らないんだけどね、…たぶん、」


「メガネをこの中に入れて、傷つかないように、失くさないようにするんだよ」