「それは、辛かったですね。
昨日、連絡してくれたあと、すぐに駆けつけようかと迷いました。でも、やめました。
すぐ行けばよかった。
そんな辛い思いしてるなら、そばにいたかったです。」

「先生は優しいですね。」

「石井さんのこと好きだからです。
昨年、赴任してきて、石井さんが響くんの送り迎えをしていて、僕は担任じゃなかったけど、すごく惹かれました。
いつも笑顔で、誰にでも同じように接していて、子供たちからも人気で。
だから、今年、担任になれて嬉しかった。
でも、毎日、顔合わすうちに、どんどん気持ちが膨らんでいってました。
でも、担任の子のお母さんのことを好きなんて、あり得ない、最低だと思ってました。
そんなときに、疲れてる感じで、送り迎えしてるから、とても気になりました。
担任として、出来ることがあれば・・・と思いました。」

「先生。」