次の日、響を保育園に送って行くと、
杉田先生がいた。
「おはようございます。」
「おはようございます。」
響が中に入ると、小さい声で、
「何かあれば、連絡して下さいね。」
「はい。」
保育園を出て、パートに向かった。


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数日後の火曜日、夜、親にうちに来てもらい、響を預けて、久しぶりに由美と飲みに行くことになった。

由美は仕事してるため昼間はなかなか会えないから、1シーズンに1度、親に頼んで飲みに行く。
親も気晴らしは必要だと言って、快くひきうけてくれる。

由美に会った。
「その後どうなの?」
「うん。旦那は普段と変わりない。
時々、遅く帰ってくるけど、変わらない。
探ることもしない。
なんか、知らない方がいいこともある気がして。」
「直美がそれでいいならいいと思うよ。
響くんのこともあるし。あの日だけかもしれないし。」

由美と飲んで、昔話をしたり、由美の彼の話をしたり、仕事のことを話した。

21時になり、帰ることにした。
「じゃあ、またね。」
「また。バイバイ。」
歩いて帰っていると、
旦那を見つけた。声をかけようとしたとき、
となりに女の人がいた。
腕を組んで笑いながら歩いていた。

見てはいけないものを見た気がした。
『ホントだったんだ。』
追いかけることが出来なかった。

パニックになって、杉田先生の携帯に電話していた。
先生が出た。
「連絡ありがとうございます。
どうされたんですか?こんな時間に。」

何も言えなかった。
私は泣いていた。

「なんでもないです。すいません。
こんな時間に。」
「泣いてます?」
「大丈夫です。」
そう言って、電話を切った。

『なんで、先生に電話しちゃったんだろう』
後悔した。