6月の雨の日

1人の少女が傘もささず涙を流して道を歩いている
今日の雨は彼女の涙を隠すように振り続けていた


水無月雫は今日……
長年片思いしていた幼なじみの弦に告白をした

弦は驚いたが、直ぐに真剣な目になり私に
「ごめん、雫のこと大事に思ってるけど"それ"とはまた違うんだ」
優しい弦は私を傷つけないように優しく断った

その優しさが逆に私の心の傷に沁みた

弦は生徒会長で成績も良く、運動神経抜群、高身長イケメン、学校の女子のほとんどは弦の事が好きだった
幼馴染の私はよく睨まれていたし悪口も言われていた。
少し、怖かったがそれ以上のことをしてこなかったから大丈夫だった。

でも、私やそのほかの女子のほとんども
弦のスペックに惹かれただけでなく
彼の優しさにやられたのだ

弦は困っている人がいたら絶対に見放さないし、誰にでもやさしく接している
そんな弦を幼い頃から見ていて好きになった

弦のことを思い出すと胸が痛かった
また、涙が余計に溢れそうになるのを抑えて歩いていると

懐かしい公園に着いた……
この公園は幼い頃に弦と2人で遊んだ
公園だった

いつもは気にしないのに
今日は失恋をしたから余計に目に入ってしまう

私は引き寄せられるように公園に入った

公園にあるのが当たり前のような
ブランコも
滑り台も
ジャングルジムも
弦との思い出が詰まっている

こんなところ入るんじゃなかったと
思いながら公園に立ちすくんで涙を流していた