「大ちゃんせんぱぁい、おはようございます」

「……。」



最近……愛原さんがよく話しかけてくる。


すれ違う廊下で、学食で、道端で……いつも話しかけてくる。


1時間目の休み時間、たまたま通った廊下で、今日もまた、捕まった。



「……おは、よ。」

「昨日は遅くまでLINEしちゃってすみません」

「うん、」



迷惑……なわけじゃないけど。


こういうの、どーしていいのかわかんねぇ。


ここまでガツガツ来られるのは、初めてだから。



「今日もLINEしていいですか?」

「……。」



どうすりゃいーの……俺。


ハッキリ言ったほうが、いい?


でも告白とかされてないのに……ただの自惚れてる男くさくね?


いや、でもな……こういうのは、ハッキリ言ったほうが絶対いい。



「俺、」

「大ちゃーん!」

「……。」



後ろから直人にガバっと飛びつかれて、足がふらつく。


俺よりも背の高い直人が、全体重かけて絡みついてくる。



「重ぇ、、」

「こんなとこでなにしてんのー!」

「なん、も、、」



直人といたら、いつか俺まで骨折しそうな気がする。


『大ちゃん巻き添え骨折事件』とか……いつか年表に書かれそう。