「なに、大ちゃんって女に興味あったの?」

「え、なに、まじで!?」

「1年の女子らしいよ、相手」

「なに、1年のどんな子なん?」



色々聞かれるけど……答えない。


自分の話をするのは、得意じゃないから。


答えなかったら話は雄介と2年の女子のほうに変わってくけど、そっちもそっちで進展はなんもないらしい。



「つーかもう帰ろうぜ。天気悪いし」

「うわ、雨降りそ」

「帰ってジャンプ読んで飯食って風呂入って寝るかなー!」

「平凡だな」



教室を出て階段を下りたら、3階の踊り場で、階段を上がって来たりんちゃんに遭遇。


普通に通り過ぎようと思ったけど、それを阻止するようにりんちゃんは俺らの前に立ちはだかった。



「丁度いいとこに。菊ちゃんちょっと職員室来て」

「は、なんで?」

「進路のことで」

「……まじかよ」

「5分で終わるから」

「じゃあ俺ら、玄関で待ってるわ」

「……おー」



肩をがっくり落として、菊は職員室に連行されてった。