ミサンガは、説明通りに作ってるはずなのに……見られてる気がして、全然、うまくできねぇ。
目的のとこから、糸が出てこない。
も、無理……。
ななちゃんが見てるかもって、そっちばっか気ぃ取られて、無理。
「……むずい。も、いい。」
糸を放り投げた俺を見て、ななちゃんが……
笑った。
初めて、……俺に笑ってくれた。
え、……今、ちょっとだけでも距離、近づいた?
「……これ、出来たやつ?」
「あ、ハイ、」
近づけた気がする距離に、俺はすぐ調子に乗る。
たった1回笑ってくれただけで、ここぞとばかりに調子に乗る。
いいじゃん、だって笑ってくれたし。
笑ってくれたってことは、不審者扱いされてないってことだし。
不審者じゃないってことは、嫌われてないってことだし。
嫌われてないってことは、ここにいてもいいってことだし。



