放課後には制服はバッチリ乾いてて、教室で着替えんのもあれだから、1番近くのトイレに向かった。
もう放課後だし、このままジャージでもいーかなって思ったけど……制服持って帰んのは面倒だから、やっぱ着替えることにした。
「おー、乾いた?」
トイレの個室から出たら、偶然、菊に遭遇。
「うん、乾いた。」
「つーか佐伯はあんま濡れてなかったのに、なんでお前だけあんなビショビショだったんだよ」
「あずさ怖ぇんだもん……。」
「はは、なんだそれ」
着替えたジャージを肩に置いて、手を洗う。
「菊、教室行く?」
「いや、今日は体育倉庫。競技に使うもの、俺らのチームが点検しなきゃなの」
「ふーん。そんなのもやるんだ、リーダーって。」
「色々振り分けられてんだけど、1番面倒なのに当たっちゃって。絶対人手足りないから雑用係に応援頼んだ」
「え、」
「ん?」
雑用係って……ななちゃん?
てことは、教室行っても、ななちゃんいない?
放課後、絶対話しかけようって胸に誓ってたのに。
今日もまた、空振りになんのか。
「雑用って、みんな?」
「いや、葉子ちゃんだけ」
「ヨーコ……」
ダレ……。
「今日の朝一緒に来たんだけど、そのとき頼んだら引き受けてくれてさ」
あ、ななちゃんの友達の……雑用係の子。
てことは、ななちゃんは教室にいんの?
「じゃあ、旗もちゃんと進めろよ?」
「うん、」
トイレから出て菊は体育館へ、俺は教室へ歩き出す。



