「彼氏、…いたみたい。」
「……」
「……だから、失恋。」
おっちゃんが麺を茹でてる間、さっちゃんは俺の話を聞いてくれる。
誰にも相談なんてしたくないのに、さっちゃんにはすんなり話せてしまうのは、なんでだろう。
俺よりもずっと長く生きている、年上のおば……お姉さんだからかな。
相談したくないんじゃなくて、相談する相手を選んでるだけなのかな、俺。
「どーやってさ、諦めればいーの、…?」
「……」
「諦めかた、わかんねーの、」
「……」
「さっきもね、偶然会ったらすんげぇ嬉しかった。でも彼氏いんのか~って思ったら、やっぱへこむ……。」
どうやったら終わりにできんのか……全然、わかんない。
諦めるって、どーすんの……
「大ちゃん」
「うん。」
「とめてとまらぬ恋の道、だよ」
「…、」
ことわざ……?
ラーメンが、さっちゃんの手から、俺のトレーの上に乗った。
「彼氏がいたくらいで諦める恋なんて、そんなの恋じゃないね」
「…、」
「諦めんなら、せめて自分の気持ちを知ってもらってからにしな!」



