魔女の恋は空回る

「今、何の魔法を、何回使ったか答えられるかい?」

「何の魔法かは分かんないけど、2回使ったのは感じたよ」

「なら、1回目と2回目、どっちの魔法が強かった?」

「1回目」

「ふーん。前にうちに来たときから、少しは成長してるみたいだね」

「おばあちゃんにもらった本で、毎日、1魔法ずつ練習してるもん」

「ああ、それは感心だねぇ。今、使ったのは、小さな竜巻を起こす魔法だよ。残りの雑草をこの魔法でツムギが抜きなさい。植えてる花は抜かないようにだよ」

 おばあちゃんが、また魔法を使った。

「雑草を抜いたら、水やりだ」

 空中に水が出現して、花にかかる。

「始めてごらん」

 おばあちゃんは、ガーデンチェアに座って、ニヤニヤしている。

「完全に面白がってるでしょ」

「うん。だって、面白いよ。お前の母親が小さかった頃、私は徹底的に魔法を教え込んだんだよ。それなのに、魔力量だけはマシになったけど、魔力の質の方は弱々しいままだし、私に反発するし。ツムギが産まれたときには、『ツムギは普通の子だから、魔法とは無縁の世界で育てる』って言い張ってたねぇ。それが、蓋を開けたら、ツムギは自分の手には負えないほどの魔女で、今、困って私を頼ってきてる」

 お母さんが、私のお母さんじゃなくて、おばあちゃんの娘の顔をしてるときの話は、新鮮で面白ーい。

「ほらほら、始めて」