魔女の恋は空回る

「ジャージは持ってきた?」

 玄関で孫の顔を見るなり、おばあちゃんが聞いてきた。

「持ってきたけど… 学校の指定ジャージだよ?」

 美術部の私はそれ以外のジャージなんて持ってない。

「それで十分」

 おばあちゃんは次にお母さんに言った。

「お前は今日、私の代わりに、教師役しなさい」

「えっ、私も!?」

「ツムギに教えてる間、あの子たちが困るじゃないか。当然」

「でも、私でいいのかなぁ…。貧弱な魔女なんですけど?」

「あの子たちなんて、お前以上に貧弱な魔女の卵ばっかだよ。ああ、1人だけ、お前といい勝負な魔女になりそうな子がいる。私はどっちを教えるでもいいけど、お前にとっては、私がツムギを教えた方がいいんだろ?」

 私は会話についていけず、キョトンとしてしまった。

 お母さんが説明する。

「この辺りは昔、魔女の集落があったの。だから、魔女の血を引く子供が多いんだけど…。他所から人も流入してくるから、親は魔力のない、ごくごく一般人なのに、子供は魔力を持ってるってことが起きてて…。で、おばあちゃんはそういう子供たちが困らないように、ボランティアで魔法の使い方や制御の方法なんかを教えてるの」

 おばあちゃんが、そんなことをっ!?