「うわぁ、めっちゃ美味しいです」

「気に入っていただけました?」

「はい。オレ、ハーブティーって、もっと草っぽい味がするんだと思ってました」

「美味しく飲んでいただけるように、味にも配慮して、花やフルーツもブレンドしてるんですよ」

「このハーブティーください」

「ありがとうございます」

 お母さんはハーブティーの茶葉を袋詰めした。

 お母さんはハヤト君にハーブティーを手渡すとき、わざわざ両手でハヤト君の手を握った。

「ツムギと仲良くしてやってくださいね」

 ハヤト君がビクッと大きく動いた。

 そりゃ、びっくりするよねぇ…。お母さん、何してんの??

 お会計をしていると、別のグループのお客様がやってきた。

「いらっしゃいませー」
「いらっしゃいませっ」

 お母さんと同時にあいさつしつつ、私はさっと店の外に出た。だって、狭いお店だから。

 私に続いて、ハヤト君も出てきた。

「何で、小山が『いらっしゃいませ』?」

「あ、ここ、私のお母さんの店で、さっきの、お母さんなの」

「そうなの!? 全然、気づかなかった!
あっ、だから小山と『仲良くしてやって』って言ってたのか」

「私、父親似だから」

「でも、お母さんと雰囲気が似てるかも」

 雰囲気? 魔女特有の雰囲気とかあるのかな?

「そっかぁ、小山は魔女の娘、なのかぁ」

 !!