「ねぇ、おばあちゃんって、お母さんと比べて、そんなすごい魔女なの?」

「お母さんのランクはBか、せいぜいB+だけど、あの人は間違いなくSSね」

「そんなに違うの?」

「そう、全然、違うのよ。母娘なのにね」

 お母さんは苦笑いした。
 
 それでも…と思った。それでもあのことは、おばあちゃんじゃなくて、お母さんに相談しよう。

「お母さん、それで来週、班決めのくじ引きがあるんだけれど…」

 思い切って、切り出してみた。

「仲良い友達と同じ班になれたらいいなって思ってて…」

 同じ班になりたいのはハヤト君と…だ。でも、仲良い友達って誤魔化した。

「それで、何かいい魔法があれば、教えてほしいな…なんて…」

「お母さん、そういうのは感心しないわー。公平に運に任せて、くじを引くべきだと思うのよね。誰と同じ班でも楽しいわよ」

「お母さんは、こういうとき、魔法を使ったことないの??」

 私は純粋な興味で尋ねたつもりだった。

 でも、お母さんは、『うーん』と顔をしかめた。