魔女の恋は空回る

「お父さんの方は分かったけど、なら、お母さんは?」

「へ? どういう意味?」

「だから、お母さんはどうしてお父さんと結婚したの? 魔術師じゃなかったから? お父さんが魔術師だったら結婚しなかった?」

「ぷははっ! やっだぁ、ツムギったら。魔女とか魔術師とか、こだわりすぎよ。あのね、魔法なんてね、恋に比べたらちっぽけなもんよ」

「ウソッ! お母さんはお父さんに恋をしたの?」

「そうでないなら、富豪でもないし、有名人でもないお父さんと、どうして結婚したっていうのよ? 魔術師以外なら誰でもいい、っていうなら、もっと条件のいい男の人なんていくらでもいたわよ」

「えっ、えっ、なら、お父さんが魔術師でもよかった?」

「自分が魔女なのを棚に上げて、魔術師はイヤなんて言わないわ。お父さんなら、どっちでもよかった」

「でも、お母さんは、私が魔女だって分かったとき、ショック受けてたよね?」

 あのときのお母さんのこと、はっきり覚えてるんだから!