そんなことを思いつつも、とりあえずきちんと目を通してみた。

 それじゃ、やってみますか!

 呪文を唱え、それから部屋の電気を消した。

 おおぉぉぉ! 見える!!

 小馬鹿にしていた魔法のはずなのに、感動しちゃった。

 それに、本当に私って魔女だったんだ、と実感できた。

 この感動を誰かに聞いて欲しくなって、私はリビングへ走っていった。

 勢いよくリビングに駆け込むと、私を見るなり、お母さんは爆笑し、お父さんは唖然とした。

「ツムギ、あれでしょ。猫目になる魔法使ったでしょ、あはは」

「すぐ分かちゃう?」

「分かる、分かる。鏡を見ておいで、あはは」

「へっ、鏡?」

「お父さんが声も出ないほど驚いてる理由が分かるから」

 私はお母さんに言われる通り、洗面所へ行って、鏡を覗いた。

 私の瞳が、猫のそれになってるー!

「うっそーっ!」

 でも、次の瞬間、みるみる瞳孔は元に戻っていった。