魔女の恋は空回る

「ショコラちゃん、召喚に応じてくれて、ありがとう」

「いえいえ、どういたしまして」

「早速なんだけど、今日、ツムギにかけられた魔法って、悪意とか敵意のようなものを感じた?」

「いいえ、そういう黒いものではなかったわ。悪意と言うよりは、どちらかと言うと、好意的な感じだっだわ」

 好意?? 運動場に連れてって、ボールをぶつけるのが好意??? 訳が分からない…。

 でも、これでサキちゃんが悪意のある思惑で魔法を使った可能性は否定された。よかったぁ。

「ショコラちゃんは、魔法を使ったのが誰か分かる?」

「使い魔の私には、そこまでは分からないわ。魔法が使われてようやく魔力を察知できるだけだから。そういうのは、魔女に『がんばって!』と言いたいところなんだけど…」

 お母さんとショコラが2人同時に私を見た。

「へっ、私?」