浮かれて、浮かれて、浮かれまくってた私だったけど、帰宅するまでには少し冷静になった。

 自分に魔法をかけられたのに、このまま知らんぷりっていうのはマズいよね、どう考えても…。

 このことを相談できる相手は、もちろんお母さんしかいない。

 他の悩み事なら、お母さんに相談するなんて、あんまりしたくない。むしろ、最後の選択肢かもしれないぐらい。でも、魔法に関する事は、お母さんで一択だ。

 帰宅したときには、家には誰もいなかった。お母さんはまだ勤務中だ。

 お母さんは、平日の午前中に、店の掃除や仕入れ、それから宣伝用のブログ執筆といった雑務を済ませ、午後1時から6時まで店を開けてる。

 ちなみに、平日に来店できないお客様のために、月に2回だけ、土曜にも店を開ける。

 私は、カバンとリュックを置いて、着替えを済ますと、お母さんに会いに、店に向かった。