私も先生も驚いて、反射的に窓の外を見た。
真っ黒な猫が木の枝から、こっちを見下ろしてる。先生には一瞥もくれず、私だけを気味が悪いほど、真っ直ぐに、じいぃぃーっと見てくる。
「近所の飼い猫が散歩に来たのかしら。珍しいわ。この学校の敷地内で猫を見るなんて…」
先生が呟いた。
私もまた、学校内で猫なんて見たことがなかった。それどころか、こんな全身、真っ黒な猫、初めて見る!
「小山さんのことを見つめてるわね。あの猫、知り合い? もしかして、小山さんの家の飼い猫?」
「いいえ…初対面です」
「何か悪さをしそうな感じもないし、そのままにしておきましょう。見張っておくから、小山さんは、ゆっくり休んでて」
「…はい」
私は、黒猫のことが気になって仕方なかったけど、目を閉じて、見ないようにすることにした。
真っ黒な猫が木の枝から、こっちを見下ろしてる。先生には一瞥もくれず、私だけを気味が悪いほど、真っ直ぐに、じいぃぃーっと見てくる。
「近所の飼い猫が散歩に来たのかしら。珍しいわ。この学校の敷地内で猫を見るなんて…」
先生が呟いた。
私もまた、学校内で猫なんて見たことがなかった。それどころか、こんな全身、真っ黒な猫、初めて見る!
「小山さんのことを見つめてるわね。あの猫、知り合い? もしかして、小山さんの家の飼い猫?」
「いいえ…初対面です」
「何か悪さをしそうな感じもないし、そのままにしておきましょう。見張っておくから、小山さんは、ゆっくり休んでて」
「…はい」
私は、黒猫のことが気になって仕方なかったけど、目を閉じて、見ないようにすることにした。