魔力を抑えてしまうと、余計なハプニングが起こることもなく、いたって普通な日常に戻った。

 授業を受けて、給食を食べ、また授業を受ければ、あっという間に部活の時間。

 私は美術室へ向かった。

 最近は、油絵の具で自画像を描いてる。

 でも、今日はとっても天気がいい。外で描いたら、気持ちよさそう。よっし。

「先生、自画像の方を中断して、今日は外でスケッチしてもいいですか?」

「うん、いいわよー。部活終了時刻の10分前までにはここに戻ってきて、描いたものを見せてね」

 数ある部活の中で、美術部は最もユルい。ハヤト君と知り合ったときみたいに、たまに先生から指示された活動をすることもあるんだけど、それ以外はやりたいことを自由に決めさせてもらえる。

 私は、スケッチブックと、3Hから4Bまでの鉛筆、それから念のため、鉛筆を削るためのカッターナイフを持って、美術室を出た。