月曜の朝、やっぱり煎じ薬が用意された。

「さ、登校前に、ググッと飲んでって」

 お母さんにとっては、所詮、他人事だ。軽ーく言ってくれる。

 でも、私に拒否権などないのだ。

 女は…じゃなくて、ええい、魔女は度胸だ!!

 両目を固くつぶって、一気に口へ流し込んだ。

「いい飲みっぷりじゃないかぁ」

 お父さんの褒め言葉には、妙にイラッとする。

「明日から、せめて、シロップかハチミツを混ぜていい?」

「薬の成分と結合しちゃったりするといけないから、我慢してそのまま飲んで。煮出すための水だって、気を遣って、水道水を使わないで、わざわざ蒸留水にしてるぐらいなのよ」

 そんなこと言われたら、ぐうの音も出せないじゃないか。

「うん、魔力は出てないわ。行ってらっしゃい」

「はーい、行ってきまーす」