「魔女ってのは、体の中で作り出す魔力を、無意識に体内に溜め込んでいるんだよ。で、その溜め込んでおいた魔力を取り出すときに、呪文が必要になるはずなんだけど…」

 おばあちゃんが説明し始めた。

「本来なら、魔力の生産量は、小さい頃から成長とともに、徐々に増えるところなのにねぇ。お前の場合はどうしてか、14歳の今までほんの僅かだったくせに、突然、爆発的に増大したんだろう。体内に留めておけなくて、魔力が漏れ出てるわぁ。これじゃあ、呪文を唱えなくても、いつでも魔法が発動できる訳だねぇ」

 お母さんは、『あちゃー』と言いたいような顔をしていた。

「体が慣れるまで、魔力の生産量を抑えるしかないねぇ。煎じ薬を作ってあげるから、しばらくの間、毎日、飲みなさい」

「しばらくって、どのくらい?」

「さぁ? そればっかりは誰にも分かんないよ。勝手に魔法が使えなくなるまで、だよ」

「えー! 適当過ぎる!!」

「お前の母さんでも、魔力が漏れてるのか、漏れてないのかぐらいは分かるから、毎日、判断してもらいな」