とびきりの笑顔で振り向く。

 やっぱり、ハヤト君だ!

「おはよ! うん、もうすっかり。ありがとう」

「ハヤト君にツムギちゃんも、おはよう! 私もツムギちゃんのこと、心配してたんだ。よくなったなら、本当によかったぁ」

 うぅーっ!

 彼女は、丸田サキちゃんという。私たち3人は同じクラスだ。

 せっかくハヤト君と2人で話してたのに…。

 サキちゃんのことを恨めしく思ってしまう。

 サキちゃんを一言で表すなら『いい子』。優しいし、いつも笑顔。さらに、かわいいときてる。先生たちも、優等生の彼女のことがお気に入り。

 こんなにパーフェクトな子っているんだね!? ってぐらいの、言わばクラスどころか、学年、ううん、学校のアイドル。

 サキちゃんとも、2年生で初めて同じクラスになった。それまで話したことなかったんだけど、それからは、こんなふうに私なんかにも話しかけてきてくれるの。