恋を叶える魔法は禁呪だとしても、少なくとも恋愛運をアップさせる魔法は使っていいはず。だって、お母さんが使ってるんだから。

 魔法なんてミラクルな能力を使ったら、私でもハヤト君の彼女になれたりしないかな。

 私、ハヤト君の彼女になりたーい!

「ツムギ、ダメよ」

 はっ!

 ショコラが、よそ様の塀の上を歩いてた。

「魔法を発動しそうな空気が漂ってたわ。しかも、ヤバそうな魔法…」

 ギクッ…

「あ、ありがとう」

 そっか、こういうことを考えちゃいけないんだ…。気を付けようっと。

 学校に到着して、上靴に履き替えてると、後ろから話しかけられた。

「小山、おはよう! 体調はよくなったのか?」

 この声は…