「あっ! でも、うちのマンション、ペット不可だ。どうしよう…」

「やだぁー。私はペットなんかにならないわ。呼ばれたら、ちゃんとツムギのところに行くから、それ以外は自由にさせて。さっきのカラス…スミ? ちゃんだっけ…も、そうだったでしょう?」

 お母さんも、うん、うんと頷いてる。

「今日、学校を歩いてて楽しかったから、しばらくはツムギの周りをウロチョロするけど、気にしなくていいからー」

「気にしないって、無理じゃない? それはどうしたって気になるよね」

 お母さんが割って入ってきた。

「まあまあ、いいじゃない。週末、おばあちゃんに会いに行くまで、お母さんもツムギのこと心配だもの。ショコラちゃんに見張っててもらいたいわ」

「お母さん、ショコラに何を見張っててもらいたいの?」

「ショコラちゃん、もしもツムギの魔法が暴走するようなことが起きたら、すぐに知らせてちょうだいね。そうは言っても、お母さんに、ツムギの魔法を止められるか、自信はないんだけど… 」

 お母さんは、いつになく真剣な表情で私を見つめた。

「ツムギは、学校で魔法を使わないように、くれぐれも気を付けて。とにかく何かを強く願ったりしないようにして」

「はーい。あんな気持ち悪くなるの、こりごりだから、気をつけまーす」

 お母さんは不安そうに、ため息をついた。