お母さんはさっきのメモに長い紐を縛り付けて、さらにその紐の先に輪っかを作った。

「スミちゃん、これ、母さんに届けてくれる?」

 スミちゃんの首に輪っかを通す。

「いつもありがとう」

 お母さんはスミちゃんにパンをひと切れ食べさせた。

 スミちゃんは頷くと、空に向かって飛んでいった。

「ほら、『使い魔が1匹ぐらいいると便利だ』って、さっき言った通りだったでしょ?」

 私は固まってしまって動けなかった。

 えぇー! 何、いまの!?

 私の目には信じられない光景だった。

 お母さんが、お母さんじゃないような…、まるで…

「…お母さん、魔女じゃん……」

「だから、そうだって、さっきから言ってるじゃない」

 お母さんは可笑しそうに言う。

「ツムギも、この黒猫を使い魔にしてあげたらいいわー」

 黒猫は自分のことをしゃべっているのが分かるのか、顔を上げた。