「私、昔っから、おばあちゃんが苦手なんだよね。ほら、おばあちゃんって…」

 私はしゃべりながら、おばあちゃんを思い浮かべた。

 私のおばあちゃんは、既に引退してるけど、薬剤師免許を持ってて、以前は漢方の薬局を営んでた。

 普通、薬局って言ったら、清潔で整然としているイメージがあるじゃない? それなのに、おばあちゃんの薬局ときたら…。

 幼い頃の私には、その薬局が、ただただ恐怖だった。

 薄暗い薬局内には、漢方薬の入った中国壺が雑然と並んでて、それに混じって、ホルマリン漬けの生物なんかもあった。

 来局する人は、『医者の処方する薬よりも、よっぽど効く』って言ってくれてたんだけど…。

 煎じ薬を薬鍋で煎じるときの匂いも好きになれなかった。

 思い出すだけで、身震いしちゃう。

 お母さんが、ニヤリとした。

「おばあちゃんって…いかにも魔女っぽいでしょ?」

 ああ! そっか!!

「おばあちゃんも魔女なのねっ!?」

「正解」