みんな、パラパラとプラネタリウムが上映されるホールへ入っていく。

 あわや大惨事になりそうだった火災事故を目の当たりにしたばかりで、みんな、どこかソワソワして、落ち着かないみたいだった。

 ホールの中は、中央に投影機が置かれてるのみで、その他はガランとしてた。イスもない。

「各自、自由に散らばって、座って鑑賞してくださーい」

 ハヤト君が、私を手招きした。

 私たちは壁に寄りかかって、並んで座った。

 ヒーリング音楽が流され、天井に星空が投影されたタイミングで、ハヤト君が魔法を使った。透明なドームみたいなものが、私とハヤト君だけを覆った。

「何の魔法?」

「オレたちの会話を他のヤツらに聞こえないようにした。さっきの火消しでヘトヘトだから、長い時間はもたないけど」

 私はドームを見上げて、『へー』と感心した。

 ドーム越しに満天の星空が見える。

「えーっと、何から話したらいいのかなぁ。小山のお母さんは、オレが魔術師って気付いてたから、てっきり小山も知ってるもんだと思ってたのになぁ。それがまさか、丸田を魔女だと思ってたなんてな! 丸田なんて1番魔女から遠いとこにいるだろっ」

 ハヤト君がクックックと笑った。