魔女の恋は空回る

 火を完全には消せなかったものの、火の勢いをずいぶん小さくすることができた。

 職員さんと先生たちも、消火器を持ってきて、消火活動を始めた。

 もう大丈夫だ。

 私は消耗と安心したのとで、ヘロヘロになって地面に座り込んだ。

 サキちゃんが私の真向かいにしゃがんだ。見たことがないほどの満面の笑みを浮かべながら。目はキラッキラに輝いていた。

「スゴいわ、ツムギちゃん! 魔女だったなんて、ますます尊いわー。それにハヤト君は魔術師!? 今までは、ツムギちゃん単推しだったけど、これからは『ツムギちゃんxハヤト君』も推せるっ」

 興奮するサキちゃんを眺めながら、私はサキちゃんの話を飲み込めなくて、呆然とした。