休憩時間中のことだった。

 空がピカッと光り、すぐにゴロゴロゴロッという大きな音が聞こえた。雷だ。

 ポツリ、ポツリと雫が落ちてきたかと思ったら、一気にザーッと大雨が降ってきた。

 先生の指示で、外にいた全員が、慌てて建物の中に入った。

「トレッキングが終わってからでよかったな」

「もしかしてキャンプファイヤーは中止?」

「スタンツの準備、直前にあれだけ大変だったのに?」

 みんながワアワアしゃべった。

 雨天の場合は、キャンプファイヤーを中止して、代わりにプラネタリウム上映会を開催することになってる。

 でも、プラネタリウムといっても、科学館にあるような立派なものじゃなくて、ホームシアターのような、ちゃっちいやつなの。

 …とは言え、天気ばかりは諦めるしかないもんね。

 そう思ったとき、私ははっきり感じた。魔法が使われるのを!

 私は窓から空を見上げた。

 風だ! 風で雨雲を吹き飛ばして、移動させてるんだ!!

 ここ、自然の家の上空だけが再び晴れた。

「雨止んだね。キャンプファイヤーできるかな?」

 サキちゃんがニコニコしながら言った。