「起床時間だよ」

 シャッ! 誰かがカーテンを開けた。

 強い朝日に驚いて目が覚めた。

 体が重い…もっと寝ていたい…

 実は夜中に、『ヤバいっ!』って飛び起きたの。

 トイレに行くフリをして部屋を出て、こっそりショコラを呼んだ。

「魔力を吸収してほしいのね?」

 その通りだった。

「あらあら? 初回だからかしら? 上手くいかないわ。こんなことなら、家で練習しておけばよかったわね」

 それでもショコラはがんばってくれた。

「時間かかっちゃったわね。これならツムギが魔法使って、魔力を消費した方が早かったかも…」

 でも、時折、トイレに起きてくる他の生徒がいた。

 猫目の自分も、建物内で竜巻が発生する超常現象も見られるのはゴメンだった。

「ううん、助かったよ。ありがとう」

 それから部屋に戻ったけど、目が冴えてしまって、なかなか寝付けなかった。

 今日はトレッキングと、それからキャンプファイヤーもあるのに…。

 体を引きずってベッドから出た。