炊けたごはんは、ひどかった。上の方はお粥みたいにびちゃびちゃで、底の方は真っ黒だった。

「火が強過ぎたんだなぁ」

 覗きに来た担任の先生が言った。

「でも、おこげが美味しいって言うしな」

 先生らしく、フォローも忘れなかった。

 でも…

「限度あるよねぇ。どう見てもこれは黒過ぎっ」

 私が苦笑いすると、サキちゃんが言った。

「カレーをかけたら、何でも一緒だよ」

 ハヤト君も続く。

「オレ、腹減り過ぎて、何でも美味いと思う自信ある」

 でも、それは真実だった。

 そして、大口を開けて、カレーのジャガイモにカブりつくハヤト君は、豪快でステキだった。

 班全員で、飯ごうと鍋が空になるまでおかわりを繰り返して、あっという間に食べきれちゃった。