魔女の恋は空回る

 そのとき、サキちゃんは、突然、遠巻きにコソコソしゃべってた男子たちに顔を向けた。

「期待外れでごめーん。私、不器用で、料理なんて、とてもじゃないけど出来ないの。だから、私のために、毎日、美味しいごはんを作ってくれる人と結婚したいと思ってるの。私、胃袋をつかまれたい側なんだ」

 にっこり笑ってた。

 あのベリーダンスの一件以来、サキちゃんは『優等生の反抗期か!?』なんて噂されてる。

 本人の耳にも入ってるんだろうと思うけど、サキちゃんはどこ吹く風な様子だった。

 そんなサキちゃんは、カッコいい。

「マジか…これは、やるしかないな」

「オレも負けられん。おい、何でも切るぞ。包丁を貸してくれー」

 男子の集団は散り散りになって、静かになった。

 サキちゃんの言葉の威力、半端ない。魔法使ったわけじゃないのに、魔法みたい。