「ち、ちょっと、先生! 何でそんなおもしろい話、今まで黙ってたんすかっ?」

 ハヤト君も驚きまくってる。

「こんな話をしたら、君たち、授業に身が入らなくなるでしょう? 現に今だって、授業中には見せたこともないような顔をしてる」

 あっ、えへへ…

「僕はプロボウラーになれなくて教員になったとは言えですね、この仕事に就いたからには……そもそも教員というものは……と考えていますので……」

 ああ、いつもの先生の起承転結のない長い話が始まっちゃったよー!

「だから、君たちも……って、先生の話を聞いてますか?」

 いいえっ、聞いてませーん!

「君たちも学生のうちにですね……そういうわけで…………」

 長い! 長過ぎるーっ!

 ようやく解放されて理科準備室を出たときには、部活もそろそろ終わりそうな時刻になってた。

「こんなにネタをもらえて、クイズは簡単に作れそうだけど…」

「うん。でも、部活…」

「無断でサボっちゃったね…」

 私たちは一斉に大きなため息をついた。

 そうしたら、なぜだか笑いがこみ上げてきちゃって、私たちは涙が出るぐらい、ゲラゲラ笑い合った。