私のハーブティーはすっかり冷めて飲みやすくなってた。

 私はカップを持ち上げて、一気にハーブティーを飲んだ。

「マジ…なのね?」

 お母さんが黙ってゆっくり頷いた。

「…と言っても、お母さんの魔力は、魔女の中では弱い方なんだけどね」

 お母さんはそう言いながら、ポットを2つ用意した。それから、お母さん用のハーブの山を2つに分けて、2つのポットそれぞれに入れた。

「あれ? ポット、何で2つも要るの?」

「お母さんが魔女だって証拠を、ツムギに見せるため…」

 続いて、片方のポットにだけ手をかざして、何やらゴニョゴニョ呟いた。

 それはあまりにも小さくて早口だったから、私には聞き取ることは出来なかった。

 お母さんは両方のポットにお湯を入れて、キッチンタイマーを5分にセットした。

「今回はいつもより思いっ切り強めに魔法をかけておいたわ」

「えっ!? 何の魔法?」

「ふふふ、飲んでみてのお楽しみー」

 お母さんはニヤニヤした。何か嫌な感じ…。